Global Athlete PROJECT

別府選手からのメッセージが届きました!


別府選手からのメッセージが届きました!

海外のプロチームに所属し、欧州を中心に数多くの国際レースに出場している別府選手。自転車ロードレースというと個人競技のように思えるが、1度のレースに二百人ほどが出場し、200km近くを走り競技時間が長時間なため、チームメイトだけでなく別チームの選手たちともコミュニケーションを取らないと勝てないスポーツ。そのため、ロードレースは「マラソンとF1とチェスを組み合わせたスポーツ」とも言われる。この過酷な競技における語学の重要性とは?

会話と理解力が勝負の分かれ目

ロードレースは欧州ではとても盛んで、さまざまな国から選手やチームが集まっているので、言葉もいろいろな国の言葉が入り混じっています。僕は欧州に来て10年になりますが、フランス語、英語がメインで使いますが、イタリア語、フラマン語、ロシア語も少し話すようになりました。
自転車は個人競技と思う方もいるかもしれませんが、ロードレースはチーム単位の戦いなので、コミュニケーションは必須です。「ロードレースはマラソンとF1とチェス」と呼ばれています。これは1日200km前後の長距離を走るスタミナと、自転車という機材を使って最も速い時には時速100km/hにも達するスピード、そして、状況が変わり続け多くの情報が入る中で、瞬時に物事を判断し先を読む力が必要な競技なのです。そのため、言葉を理解できなければ出遅れたりミスをする可能性がでてきます。

さらに、野球やサッカーなど他の競技と違うのは、ライバルチームと協力してペースを上げるなどの共闘する事がある点です。前を走る別のライバルチームを追いかけようとする時に、他のチームの選手と会話ができないと、「この選手とは一緒にできない」と思われて、共闘するどころか蹴落とされてしまう可能性がでてきます。
同じチーム内ならば共通言語ひとつで事が足りるかもしれませんが、他のチームと協力するためには数ヶ国語話せなければなりませんし、日頃からコミュニケーションをとれていないと、レース中でいきなり連携するのも難しいです。

海外挑戦の苦労

海外を本格的に意識したのは高校2年生の時に出場したカナダのレースでした。上位に入ることができ、その時に各国の監督たちから「君はプロになれる素質がある」と言われたので、海外でやっていけるかもしれないと思いました。
中学生の頃から海外へ行きたい気持ちはあったので、英語はまじめに取り組んでいました。また、イタリアに渡った兄の影響で、イタリア語も少し勉強していました。ところが、高校卒業後に行くことになった先はフランスでした。

「言葉は現地に行ってから学べば大丈夫」と楽観的に考えていました。フランスでは毎週1回語学学校に通ったこともあったのですが、遠征や練習と重なったり、疲れて勉強どころではなかったりしたので、学校にもなかなか通えず結局独学になってしまいました。海外に行ってから学ぶには時間もお金もそれなりにかかるのでなかなか難しいと痛感しました。
チーム内ではフランス語が中心でしたが、チームメイトは僕に気を遣ってくれて英語で会話してくれたので恵まれた部分もありました。しかし、僕だけ特別扱いされたくなかったので、フランス語で話してもらうようにお願いしました。特別扱いされなくなったのは良かったですが、最初から言葉を理解できるわけではないので、苦労の連続でした。
特にみんなで食事するときが苦痛でした。フランス人は長い時間をかけて食事とおしゃべりを楽しむので、その間は何もする事が無く、パンばかり食べていて、体重が増えてしまったという事もありました。

事前の準備とチャンレンジが重要

僕がフランスに渡った時に苦労しました、でも言葉を理解できればチームにも溶け込みやすいですし、コーチの指示なども理解できる事で、すぐに自分の力を発揮しやすいと思います。海外へ渡った日本人ロードレーサーもたくさんいますが、行く前に語学などの下準備ができていればもっと活躍できたと思います。
また、僕は日本人よりも積極的でフランクな外国人との方がコミュニケーションが取りやすいです。コミュニケーションを積極的に取ってくる人の方が取らない人よりも好印象を頂くのは世界共通ですから、日本人もミスを気にしないで積極的に会話に参加すべきだと思います。

フランスに渡った時、チームメイトへの自己紹介をちょっと勉強していたということもあり、間違えてイタリア語でしてしまったのです。でも「イタリア語できるのか?」と驚かれ、これがきっかけでチームメイトと打ち解けるようになりました。
僕の将来の目標はツール・ド・フランスでステージ優勝することです。また語学面では、長年海外にいるので話せる言語やボキャブラリーは増えてきましたが、公式の場で話す言葉や、言い回しなどまだまだ学べることは沢山あります。インタビューされるときもそうですし、今以上に自分の想いや考えをしっかり伝えられるように、語学の勉強は続けていきたいと思っています。