Global Athlete PROJECT

【コラム】[キャラクターになりきって英語をマスター!“英語劇”のススメ]

言葉の壁を越える時

こんにちは。GAコラムライターの星野です。
お恥ずかしい話ですが、私は27歳のときイギリスに留学し、一週間で泣きました。
英語力がギリギリだった私は、本格的な授業が始まる前に1ヶ月の準備コースに通ったのですが、そのクラスでも目立つほど英語が下手でした。その上、2週間以内に済ませなくてはならない各種事務手続きも思い通りに進まず、不安が募っていました。
そんな時、たまたま声を掛けてくれた留学生サポーターの前で、つい泣き出してしまったのです。あまりの悔しさと恥ずかしさに思わず謝ってしまった私に、その人は「謝ることなんかない。遠い国から来たんだもの。何でも話していいよ。」と言ってくれました。もう不安でいっぱいだった私は、その言葉に甘え「あれもこれもうまくいかないだんよ。新しい寮から連絡もこないし、銀行口座も開けなくて、学費の引き落としに間に合わない。英語だってひどいもんだよ。」と本当に何でも話してしまったのです。ヘタクソな英語で。その一つひとつに、サポーターの方は丁寧に答えてくれました。私はその時、救われた気持ちになったのと同時に、初めて本当に“英語で人と話した”と思ったのです。
また、これは私の以前の職場の先輩の話です。今ではどんな場面でも堂々と英語で意見を述べるその人が、初めてアメリカに渡ったとき、英語力はほぼゼロ。そんな彼は、ルールを全く守らないルームメイトにブチ切れたときに、“初めて英語を使った”と思ったそうです。

なりきって話す、“英語劇”

英語劇

英語劇プロダクションサイトのWEBサイトより

さて今回は何の話かと言うと、強い感情が伴った時、語学は一つ壁を越えるのではないかということです。そしてこんな話を持ち出したのも、先日語学系雑誌を見ていたら、“英語劇”なるものが紹介されていたからです。
ご想像の通り、ナレーションから登場人物まで全てのセリフを英語で言う劇のことで、キャラクターの気持ちになり感情を込めて英語を話すことで、その言葉を自分のものにしていくという方法です。大きな声で英語を発するというのもポイントなのだとか。
先の例に照らしても、興味深い方法です。とくに子どもは“ごっこ遊び”の天才。楽しんで英語に触れられる、良い機会になるのではないでしょうか。

家族で楽しめる“英語劇”

最近ではこの方法を取り入れた英会話スクールも多くあるようですが、これは家でも簡単に取り入れられます。
例えばアニメのDVDを使って、一つのキャラクターになりきってセリフを言う、という方法。セリフをそのままマネるだけ。お気に入りのキャラクターでやれば、子どもたちも夢中になること間違いなしです。
オススメの題材は、ディズニー映画。シンプルな英語で構成されており、聞き取りやすくマネしやすいので、子どもだけでなく英語を学びたい大人にもピッタリです。
大事なのはあくまでも、なりきること。悪役は悪役に、ライオンはライオンに、野獣は野獣に、塔に閉じ込められた姫はラプンツェルに、雪だるまは雪だるまに…怒りや悲しみ、喜びや愛情を込めて、セリフをものにしましょう。
親子でそれぞれ違うキャラクターになれば、より楽しめそう。
雨で外に遊びにいけないお休みの日に、家族みんなで“英語劇”はいかがでしょうか。

[プロフィール]
星野みゆき。人生の90%を埼玉で過ごす。日本語が好きで、高校生の頃から日本語を使って仕事がしたいと思うようになり、初めて就いた職はコピーライター。27歳の時思い立って英語の勉強を始め、1年後英語が話せないままイギリスに留学。奇跡的に1年で学校を卒業し帰国するも、相変わらず英語は話せないまま。無謀にも外資系企業に就職。この頃GAPと出会い、その趣旨にいたく共感する。ある日上司が外国人になりヒーヒーしているうちに子どもが生まれ、気付けばフリーのライターに。GAに刺激され、再び英語を勉強中。ハマっていることはゴルフ観戦。PGAツアーが始まる10月から翌年の9月まで週末はほぼ寝不足。