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【サッカー英語コラム】[サッカー系「ネタ」を理解できるようになろう~ヴェンゲル監督対モウリーニョ監督の舌戦編~]

もう8月、そろそろ新シーズンスタートへ向けての話題が増えてきました。今回はプレミアリーグファンならお馴染みの、ヴェンゲル監督対モウリーニョ監督の言い争い(笑)をネタにします。

http://www.mirror.co.uk/sport/football/news/arsene-wenger-vs-jose-mourinho-6154924

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まずは見出し。

“Arsene Wenger vs Jose Mourinho: Arsenal boss hits back at spending jibe and blasts Chelsea’s youth record”

ヴェンゲル対モウリーニョ。アーセナルの監督が、「浪費だ」というイチャモンへやり返し、チェルシーのユースの実績を批判。

解説:hit back at~が「~に対して仕返しをする、やり返す」
spending jibeですが、これは日本語では一言にはできません。spendingが移籍市場で金を使うことを指しています。jibe(ジャイブ)は「からかい、愚弄」

これは度々「タイトルを金で買ってきた」と批判されてきたチェルシー、というこれまでの流れがあります。でも「最近はアーセナルだって金使ってるじゃねーか」というモウリーニョの煽りコメントなんですね。
blastは「激しく批難、攻撃する」
対してヴェンゲルは「いや、ちゃんと若手も育ててるよ(チェルシーよりはね)、もうモウリーニョがゴチャゴチャ言うのを聞く必要ないんじゃね?」とやり返した、というオチです。

“Mourinho accused his bitter rival of trying to buy the title after reopening hostilities with Wenger by insisting Arsenal have spent more than Chelsea recently.”

タイトルを金で買おうとしていると、モウリーニョがライバルを批難。最近のアーセナルはチェルシーよりも(移籍に)金を使っていると主張して、ヴェンゲル監督との舌戦を再開した。

accused X of~「Xを~だと避難する」
reopening hostilitiesが、「「敵対関係を再開させる」。これはこの2人の監督がたびたび舌戦を繰り広げている、という過去から来ています。

構造も説明しておきます。
reopening hostilities with Wenger(ヴェンゲルとの敵対関係を再開させる)
by (このbyが大事です。「by以下のようなことをすることで)という関係だと理解してください)
insisting Arsenal have spent more than Chelsea recently.(最近のアーセナルはチェルシーよりも金を使っていると主張)

詳しい内容については、ぜひリンク先の全文を(がんばって)読んでみてください。2人共英語が母国語ではないので、コメントはシンプルで読みやすいですよ。ちなみにこの記事の掲載元のミラーはいわゆるタブロイド紙。多分に「煽り記事」の色があります。シーズンへ向けて盛り上げないといけないですからね。その辺りも英語から感じ取ってください。

[プロフィール]
清水憲二。サッカー翻訳者。京都在住。イングランドプレミアリーグ、ドイツブンデスリーガ、イタリアセリエAなどの欧州主要リーグのプレビュー/ハイライト番組他、チャンピオンズリーグやワールドカップ、EUROの関連番組、現男子日本代表やなでしこジャパンの選手をフィーチャーしたサッカー系ドキュメンタリー番組なども手がける。その他にも、サッカーゲームやプレミアリーグサッカーチームのウェブサイトなど、メディアを問わず様々なサッカー関連の翻訳や執筆にこれまで従事。最新の仕事はリオネル・メッシのドキュメンタリー映画「MESSI」の字幕翻訳。

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