Global Athlete PROJECT

「志高く」

フランスでも北よりのストラスブールでは厳しい寒さは過ぎ去って、
これから春に向かっていくのだと玄関の扉を開けると空気を通して感じる。

ヨーロッパの生活ももう9年目。
こちらに来た時は、日本のはっきりした四季が恋しくてたまらなかった。
3月もこの頃になると桜の時期が近づいてくるな、とか。

今でもそれは変わらないし、春らしい桜や桃が咲いていると、
それが日本のような桜並木が並んでいるような情景を思い描いて楽しむ。

9年目になるもなると、空気感で季節が変わるのを感じるようになると、
自分もこっちに来てからいろんなものを経験してきたのだな、と感じさせられる。

先週末のLyon戦で約2ヶ月ぶりにベンチに入った。
GKというのはつくづく難しいポジションだ。

ポジションは1つしかないし、
そのポジションは頻繁に変わることはない。

12月、年末にはベンチに入る回数が増えてきたことで、
少しずつだけど、状況を変えられているという自信があった。

でも年が明けると、カップ戦以外はベンチにすら入れない日々が続いていた。

日々もがいている。
1日1日、何か変えられるのではないかと思ってトレーニングしているし、
何がこの状況において自分にできるのかを考え抜いている。

ベンチに入るのが自分の目標ではない。

もちろん、まずはそれが目の前の一番近い目標かもしれない。

でも自分の目標はあくまで試合に出ること、

そして、より高いレベルのパフォーマンスを出すこと。

状況がどうであれ、自分は自分に変わりはないし、

目標を変える必要はないと思っている。

それが自分自身が選んだ道。

どんな状況においても、ただただ前に進み続けたい。

永嗣