ゴルフ大国 タイの強さの秘密
昨今のアメリカ女子ゴルフツアーでは、韓国人選手が圧倒的な強さを誇っていますが、ここ数年で一番力をつけてきている国は間違いなくタイです。
現に昨年のアメリカツアー賞金女王はタイ人選手ですし、アメリカツアーに出場してくる選手もここ数年で劇的に増え、今では日本人と同数か少し多い位です。
なぜタイのゴルフがここまで強くなったのか、色んな要因があると思いますが、その理由の1つは間違いなくSingha(シンハ)というタイで一番大きなビール会社にあります。
Singhaからサポートを受ける選手は100名以上おり世界中で活躍していますが、かかる経費や練習費用のほとんどがサポートされています。
そしてこれからの有望な選手には会社の経営するゴルフ場を選手用にアレンジして、最高の環境を選手に提供しています。
日本の物価やGDPなどからしてもとてつもない規模の予算です。
今回は昨年に引き続き、その選手専用のアカデミーにて選手のサポートをさせて頂きながら一緒に生活してきましたので、私が見てきたことをシェアさせて頂きます。
ゴルフ場・・・タイに数多くあるゴルフ場の中でも上位に位置する高級ゴルフクラブが選手の為に改造されています。もちろん一般開放もしていて、日本人のお客さんも多く来ていました。
翌週にタイツアーの試合があるため、コースコンデションも完璧で、とても綺麗なコースでした。場所はタイ東北部の地方中枢都市・コンケーンです。
寮・・・全寮制で男女別に分かれています。2人部屋もしくは3人部屋で、部屋はとても綺麗で練習場やトレーニングルームまで徒歩1分です。
トレーニング室・・・アスリート向けの器具は一通り揃っており、トレーナーがメニューを作成するのには全く困りません。昨年はコンディショニングトレーナーはいませんでしたが、現在はゴルフ専門のトレーナーを雇っており、定期的に質の高いトレーニングをプロの指導の下受けられます。
食事・・・朝、昼はビュッフェ、夜はオーダー形式で、寮から徒歩5分のゴルフ場クラブハウス内のレストランを利用します。
タイ料理中心ですが、メニューの種類がとても豊富で、タイ料理は魚介や肉、卵をふんだんに使う為、アスリートに必要なたんぱく質が非常に取りやすいと感じました。
ダイエットなどと言う選手は1人もいなく、1年ぶりに会った選手はみんなかなり大きくなっていました。街でみかけるタイ人は明らかに日本人より小さい方が多いですが、選手は明らかに日本人の選手よりも大きいです。(特に女子選手)
練習環境・・・ドライビングレンジは芝から打て、ショートゲーム用のグリーンは3面あり最大150ヤード近くとれます。パッティング専用のグリーンももちろんあります。
暑くて練習が続かない場合や雨天時は屋根つきの打席がある為そちらで充分練習できます。
練習場のグリーンもしっかりと整備されていて多くのグラウンドキーパーによって日本のツアー会場並みの状態が常に保たれています。
日本でも都市部では難しいかもしれませんが、選手の学校やベースとなるゴルフ場の問題をクリアし、選手の強化・育成にシンハのような形で投資するスポンサーが出てきたら日本のゴルフはもっと強くグローバル化されるのではないかと思いました。