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【サッカー英語コラム】サッカーニュースを読んでみよう~ついにモウリーニョ・ユナイテッド実現か?~

以前にデ・ヘアの契約内容をフットボール・リークスが暴露したという記事をネタにしましたが(https://globalathlete.jp/gap-blog/2205)、今回も「契約」周りの英語を学んでみましょう。

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http://www.theguardian.com/football/2016/mar/19/jose-mourinho-manchester-united-pre-contract

まずは見出し。
Mourinho has signed pre-contract agreement with Manchester United
モウリーニョがマンチェスター・ユナイテッドとの仮契約にサイン

解説:pre-contractpre-とは「事前、前もって」という意味で、こういうのを接頭辞と言います。サッカー用語で「プレシーズン(マッチ)」なんてカタカナ語がありますが、これはpre-season、つまり「シーズン前」という意味です。

 

If United do not sign the final contract [with Mourinho] before 1 May, they must pay £5m; if by 1 June he’s still not signed, they shall pay another £10m
(もし)ユナイテッドが(モウリーニョと5月1日以前に最終契約を結ばなかった場合、ユナイテッドは500万ポンドを支払う義務を負う。6月1日までに結ばなかった場合、ユナイテッドはさらに1000万ポンドを支払うものとする。

解説:こうした「もし~なら、~~」という文章は契約書ではよく見られる内容ですね。
final contractは「最終的な契約」という意味で「本契約」と訳してもいいでしょう。
mustshallですが、契約書ではよく出てきます。両方とも「義務」のニュアンスがあり、「~しなければならない、~するものとする」などと訳されます。

では、なぜこうした「仮契約」という形にしたのかという理由ですが…

May is the key, because it’s the month in which the vast majority of the signings of players are closed and the plans formed.

鍵は5月だ。というのも、大半の選手との契約交渉が終わり、(来季への)プランが定まる月だからだ。

解説: closedの部分が少し誤訳しやすいですね。ここは「選手の契約が終了する」ではなくて、「選手との契約交渉がまとまる、誰が来季も残って、誰が出ていくかが決まる」といった意味です。
これはあくまでこの記事の推測なので、本当のところは分かりません。チーム側が言い出した条件なのか、モウリーニョ側なのかは不明です。モウリーニョ側から見れば、3月の時点で契約して、もし自分の求める選手が残ってくれなかったら、思ったようなチーム編成ができない、というリスクを回避する契約に見えます。一方、ユナイテッド側はまだ他の監督を探すオプションを残したというところでしょうか。ギグスを推す勢力もあるという噂も聞きますし。

ちなみに、この記事元のGuardianは英国系メディアではかなり信頼性の高いメディアなので、まったくのでまかせ記事ではないはずです。

 

[プロフィール]
清水憲二。サッカー/ゲーム/アプリ翻訳者。京都時々東京。イングランドプレミアリーグ、ドイツブンデスリーガ、イタリアセリエAなどの欧州主要リーグのプレビュー/ハイライト番組他、チャンピオンズリーグやワールドカップ、EUROの関連番組、現男子日本代表やなでしこジャパンの選手をフィーチャーしたサッカー系ドキュメンタリー番組なども手がける。その他にも、サッカーゲームやプレミアリーグサッカーチームのウェブサイトなど、メディアを問わず様々なサッカー関連の翻訳や執筆に従事。リオネル・メッシのドキュメンタリー映画「MESSI」の字幕翻訳を担当。
Twitter: https://twitter.com/transcreative @transcreative
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