【サッカー英語コラム】[サッカーニュースのSubject(記事タイトル)及び本文をいろいろ見てみよう(2)]
前回に引き続き、こちら【参考リンク:https://metro.co.uk/2014/11/30/french-newspaper-lequipe-dedicates-100-pages-to-arsenal-legend-thierry-henry-ahead-of-his-potential-retirement-4968250/】のレキップ誌のアンリ引退特集を紹介する記事を取り上げます。
では早速。
‘I will die with the love of this game in my heart. It will be a beautiful death,’ he says.
「心にサッカーへの愛を抱いて僕は死ぬことになる。それは美しい死となるだろう」と、彼(アンリ)は語る。
シンプルな英語ですが、すごくかっこいいアンリクラスの選手しか言えないセリフですね。
解説。
with the love of this game.
gameと聞くと、日本語ではまず思い浮かべるのはテレビゲームですが、スポーツは全般的に英語でgameと称することができます。
game をある英英辞書で引くと
“a form of competitive activity or sport played according to rules”
ルールに添ってプレイされる、競いあう要素のある活動およびスポーツ、とありますからね。
サッカーもFIFAのゲームもゲーム、カルタやトランプ、鬼ごっこだってゲームです。
withはご存知「~と一緒に、共に」ですから、転じて、「抱いて、(胸に)秘めて」などと詩的に意訳することができます。
次の文章。
The former Arsenal man has been linked with a return to London – possibly in a coaching capacity – and Gunners fans will no doubt be hoping that he doesn’t lay his association with football to rest just yet.
元アーセナルのアンリはロンドンへの帰還が噂されている、可能性としてはコーチ職であろうか。アーセナルファンは、アンリがサッカーとの関係を終わらせることがないことを、間違いなく望んでいるだろう。
The former Arsenal manは「元アーセナルの男(選手)」。
ここはTheに注目。
この冠詞がついていることで、すでに前の文の中で話題になっている人を指すことになります。
Theがついていることで、引き続きアンリの事を指した文章だとすぐに分かります。
link withは「~とつながっている」。
ロンドン、つまりアーセナルの本拠地への帰還(という憶測)とつながっている、という意味になります。
possiblyは前回取り上げた単語potentialとほぼ同じ「可能性」という意味ですが、形容詞なので「恐らくは~、多分」ぐらいの意味です。
capacityは「人員、定員」という意味ですが、転じてその「地位、立場」という意味にもなります。
lay ~ to restは「~を休ませる、眠らせる」というイディオムです。
この文章では、”his association with football” サッカーとの関係、つながり「を休ませる、終わらせる」」という意味になります。
要は、「アンリが引退してしばらくサッカーからは離れる」なんていう状況をファンは望んでいないだろう、と言っているのです。
あ、ちなみにGunners(ガナーズ)はアーセナルの愛称ですので覚えましょう。
個人的には、本人はまだまだ現役続行を望んでいると思いますけどね!
[プロフィール]
清水憲二。サッカー翻訳者。京都在住。イングランドプレミアリーグ、ドイツブンデスリーガ、イタリアセリエAなどの欧州主要リーグのプレビュー/ハイライト番組他、チャンピオンズリーグやワールドカップ、EUROの関連番組、現男子日本代表やなでしこジャパンの選手をフィーチャーしたサッカー系ドキュメンタリー番組なども手がける。その他にも、サッカーゲームやプレミアリーグサッカーチームのウェブサイトなど、メディアを問わず様々なサッカー関連の翻訳や執筆にこれまで従事。最新の仕事はリオネル・メッシのドキュメンタリー映画「MESSI」の字幕翻訳。
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